前回、AT限定解除だけだったはずが急きょ中型8t限定も解除することになりドタバタしたために肝心な儀式が忘れられていた。
深視力検査
深視力とは遠近感や立体感を正しく把握する能力のことで、中型や大型、二種免許を取得する際には検査が義務付けられている。
本来は入校前に検査しなければならないのだが、私の場合AT限定解除の1時限目開始時に突然中型に変更したため深視力検査を行わないまま1時限目を受けてしまった。
ということで2時限目を受ける前に深視力検査を行うことになった。
私は元々視力が良い方なので視力検査なら全然問題ないだろうと高をくくっていた。
ところが実際受けてみるととても難しいものだった。
視力検査の機会を覗くと遠くに黒くて細い棒が3本並んでいる。両端の棒は同じ奥行の直線上に立っているが真ん中の棒は前後に往復している。3本の棒が1直線に並んだと思った時に手元のスイッチを押す、というのが深視力の検査だ。
3回連続で測定し誤差の平均が2センチ以内に収めないといけないという大変シビアなものだ。
そして、この真中の棒だが一体どのへんに居るのか良く分からない。担当の方が最初に「今一番手前だよ」「今一番奥だよ」と教えてくれたのでなんとなく分かった気になった。
が、いざやってみるとなかなかうまく行かない。2回はうまくいくんだけど1回は大幅に外す。
何回もチャレンジできるのがせめてもの救いだが、真ん中の棒に集中しているとだんだんわけが分からなくなってくる。休憩しながらやってみるが3回中1回は外す。
見かねた担当の方が「真ん中ばかり見るんじゃなくて両脇の棒とか後ろの方とかあちこち見ると良いよ」とアドバイスしてくれた。
このアドバイスが的確で、あちこち見ながらやると遠近感がしっかり捉えられる。今までは真ん中の棒がどのへんにあるのか良く分かってなかったけど、良く分かるようになった。
そしてついに3回の平均を2センチに収めることが出来た。
とても嬉しかった。
まさか自分が視力検査でこんなに苦労するとは思わなかった。
担当の方も「こっちも良かったよ。助かった。」と言っていた。
もう金も払って教習も受けてしまっているからだろう。
これで晴れて入校の手続きが完了する。
さあ、2時限目の始まりだ。