仕事は速い方が良い
今年の新人の中に、仕事は速く仕上げるべきだと考えている子がいる。
どうやら、『「仕事が速い人」と「仕事が遅い人」の習慣』といった自己啓発系の本に影響されているようだ。
仕事が速いのはとても良いことだ。
私も、完璧を目指すのではなく8割から9割の完成度で一旦レビューをしてもらうということを良くやっている。
しかし。
仕事を速く仕上げるにあたっては、絶対に逃してはならない前提がある。
それは、仕事は丁寧かつ完全であるべきだということだ。
仕事は丁寧な方が良い
矛盾しているように見えるだろうか。
企画書の作成を例にしてみよう。
最初から完璧で詳細に渡り具体的な企画を考えだすことはなかなか難しい。
まずは方向性を決めたら、皆の意見を取り入れながら企画を成長させていくほうが良い企画になっていく。
そういう意味では、企画は8割から9割の内容でも良いといえる。
しかし、企画書については丁寧に完全に作らなければならない。
誤字が多かったり、論点が抜け落ちていてはダメなのだ。
いくら企画書の作成が速くても、仕事が雑では全く意味が無い。
そんな仕事を続けていれば、仕事に対する信頼は失われてしまう。
仕事は遅くても良い
新人の仕事に速さは求めていない。
まずは与えられた仕事を、自分の責任で最後まで丁寧にやりきる習慣を身につけて欲しい。
時間がかかっても良い。
しっかりと自分の頭で考えて結論を出して欲しい。
分からないことがあってググるのは良いが、自分の求める答えが得られないからといって直ぐに諦めずに粘って欲しい。
仕事を続けていると答えのない問題にぶつかることがとても多い。
そんな時に、自分でじっくりと考え答えをひねり出せるような粘り強さが身についていれば大抵の問題は乗り越えられる。
仕事は遅くても良い。
丁寧に。完璧に。
「仕事が速い人」と「仕事が遅い人」の習慣 (アスカビジネス)
- 作者: 山本憲明
- 出版社/メーカー: 明日香出版社
- 発売日: 2013/10/19
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